携帯が普及現在でも、固定電話はビジネスや一般世帯にはやっぱり必要。特に固定電話番号のない法人は、社会的な信用が得られません。
起業または世帯を持った時、貴方なら固定電話はどうしますか?
かつてはNTTの加入電話一択でした。
現在は選択肢が増えましたが、”加入権世代”には、あまり知れ渡っていないような気がします。
固定電話は無くなるって聞いたよ!?
無くなりません。
固定電話(加入電話・INS64ネット)は2024年1月以降にIP網へ移行します。加入電話・INSネットはすべてメタルIP電話になります。
でも安心してください。宅内での⼯事は不要で電話機等はそのまま利⽤できます。
この記事では、固定電話サービスについてまとめてみました。
NTTの固定電話
先ずは固定電話の原点、NTT固定電話の料金を見てみます。
NTTの一般的な固定電話サービスは加入電話とINSネット64。それぞれ「施設設置負担金」の有無で料金が変わります。
2018年時点でのNTT加入電話とINSネット64の料金は
新規 | 加入電話 INSネット64 | 加入電話ライトプラン INSネット64ライト |
---|---|---|
契約料 | 800円 | 800円 |
施設設置負担金 | 36,000円 | – |
工事費 | – | 2,000円 |
回線使用料* | 加入電話 | 加入電話ライトプラン |
住宅用 | 1,700円 | 1,950円 |
事務用 | 2,500円 | 2,750円 |
※プッシュ回線・3級取扱所の料金 | ||
回線使用料 | INSネット64 | INSネット64ライト |
住宅用 | 2,780円 | 3,030円 |
事務用 | 3,530円 | 3,780円 |
通話料金は固定電話:8.5円~/3分(時間帯、通話距離で異なります)
携帯:16円~/60秒(接続先事業者により異なる)
施設設置負担金
1989年に「電話加入権」から「施設設置負担金」に名称変更され、2005年に72,000円から37,8000円に減額。
個人(住宅用)の方にはあまり関係ありませんが、初期費用に必要な施設設置負担金は税務上の経費処理が認められていません。減価償却のできない無形固定資産になります。
施設設置負担金のないライトプランとの差額は250円。
250円x12ヶ月x11年=33,000円
利用期間が11年以下であれば、ライトプランで十分です。
INSネット64
「INSネット64」は1本で2回線同時に利用できるサービス。
専用のターミナルアダプタが必要になります。
住宅用と事務用の違い
NTT加入電話とINSネット64の回線使用料は、住宅用と事務用で料金が異なります。使用する回線そのものは同じです。使用頻度の高い事業用は料金が高く設定されています。
原則、ビジネスで使うならば事務用(実際は住宅用でも契約できます)。
住宅用は法人契約できません。事務用のメリットは番号がタウンページに掲載されること。ネットが普及した現在では大したメリットではなくなりました。
NTTひかり電話
インターネット「フレッツ光」を契約または利用中であれば、「ひかり電話」がお得に使えます。
1つの基本契約で2チャンネル1番号。追加番号を取ると、最大同時に2チャンネル5番号利用することもできます。
初期費用
「ひかり電話」工事料金
基本工事費* | (1,000円) |
交換機等工事費 | 1,000円 |
*フレッツ光工事と同時申込時は基本工事費は不要
「ひかり電話」は単独では契約できません。フレッツ光回線が必要です。
「フレッツ光」初期費用
契約料 | 800円 |
工事費(戸建て) | 18,000円 |
同 上(集合住宅) | 15,000円 |
加入電話等から「ひかり電話」へ番号を移設する場合の費用
加入電話休止工事費 | 2,000円 |
同番移行工事費 | 2,000円 |
番号移行は同一場所であれば同番号で移行できます。
月額利用料金と通話料金
基本料金500円 ※別途フレッツ光使用料
通話料金:固定宛 8円/3分、携帯宛 16円/1分(接続先事業者により異なる)
IP電話
IPとはインターネットプロトコル (Internet Protocol)の略。IP電話はインターネット網を使用した電話サービス。
ひかり電話は光回線を使用したIP電話。光IP電話以外にも、スマートフォンなどから050番発信できるIP電話サービスが各社から提供されています。
固定電話からでも、スマートフォン向けのIP電話が利用できるのをご存知ですか?
インターネット環境があれば、自宅や会社のルーターに専用アダプターを取り付けるだけ。すると、手持ちの電話機が基本使用料なしのIP電話として利用できます。
アダプタ不要のIP専用電話機もあります
ルーターとIP電話サービスの組み合わせによっては、着信できないケースもあります。また、ルーターの設定変更が必要。
決して簡単ではありませんが、興味のある方はチャレンジしてみてください。
IP-Phone SMART
IP電話サービスの一つ、楽天コミュニケーションズ株式会社運営の「IP-Phone SMART」(旧FUSION)
初期費用、基本料金0円
通話料:一律8円/30秒
IP-Phone SMART同士なら通話は無料
「IP-Phone SMART」を利用すると、無料でスマートフォンに電話が転送できる電話機があります。
ブラステル 050Free
IP電話サービスの中で、通話料の安さが魅力なのはブラステルの「050Free」。
支払いはクレジットカード(後払い)不可、プリペイド(前払い)式です。
初期費用、基本料金0円
通話料:固定宛 8円/3分、携帯宛 14.58円/分
ブラステルは固定電話タイプのサービス「FLIP(フリップ)」も提供しています。
専用のFLIP ATA (アナログ テレフォン アダプター)5,200円が必要。
通話料:固定宛 8.64円/3分、携帯宛 17.28円/分
固定電話のIP網移行
2024年1月にNTT東西の局内設備切替を予定、2025年までに切替完了予定。
毎月の基本使用料金は変わりません、固定電話への通話料が変わります。ひかり電話同様、通話距離に関係なく一律8.5円/3分になります。
「IP網への切替」とは?
電話に特化したPSTN交換機の利用を終了し、インターネット等のデータ通信を主とするIP網で音声通信を提供するために、加入者交換機をメタルケーブルを収容する装置(メタル収容装置)として活用し、その装置よりも上部を順次IP網に切り替えることです。
IP網に切り替わることにより、その特性を活かして距離に依存しないフラットで低廉な料金で通話サービスの提供が可能となるとともに、アクセス回線はメタル回線をそのまま利用できるため、お客様宅内の工事は不要、電話機はそのままで引き続き音声通信が利用可能です。
NTT公式ページQ&Aより