2016年2月、名古屋市中区大須2のコインパーキング跡地に、積水ハウスがRC造14階建の店舗付共同住宅を工事着手。設計は同じく積水ハウス。完成は翌年の2017年7月。
<建築概要>
名称:セレニティー大須
住所:名古屋市中区大須3-14
構造:鉄筋コンクリート造・14階建
面積:敷地 678.64㎡、建築 456.73㎡、延床 4168.69㎡
交通:地下鉄「大須観音」駅徒歩5分
戸数:1Kー66戸、1LDK-26戸、2LDK-6戸、計98戸
物件は分譲マンション仕様の高級賃貸との触れ込み。ここに1K住居と共用エントランスの仕様をリポートします。賃貸マンション探しの参考に、マンション新築またはリフォーム検討の参考になればと思います。
上質な賃貸マンションを計画のオーナー様へ
賃貸探しが紙の資料からインターネットに変わった現代でも、ネットだけで、1部屋内見しただけで借りられる方はごく少数です。お部屋選びは仕様選びでもあり、ネットでの写真映えも益々重要になります。競合する物件よりも、見劣りする仕様は絶対に避けたいものです。流行る商品(賃貸)作りは、先ずは新築物件を知ることです。
共用エントランスの設備
マンションの顔となるエントランス。豪華であれば入居者のステータスも上がるような気分に。内見者の印象もアップ。入居後の清潔さとセキュリティは要です。
最新式のオートロックは昔と違い、モニター&インターホンが付いてるだけではありません。ピンポンと押した瞬間に録画されます。不在時の録画・録音ができます。スマホで開錠もできます(アプリ必要)。その他、機能がたくさん。
帰宅時の開錠は、ルームキーを差し込むのでなくICタグをかざすだけ。
天井の防犯カメラは24時間録画で不審者をチェック。エレベーター内のカメラと合わせ、1Fエレベーター乗降口前のモニターに映し出します。
ネット通販での買い物をサポートする宅配ボックスは今や必須設備。収容量も重要。不在時の着荷をスマホへ通知することも可能です。
単身者向け1Kタイプ(29.73㎡)仕様
壁片面のアクセントクロス(色または柄のついたクロス)が今のテッパン。上部天井のレール付照明、壁付きのスライドフックまでも装備してます。床材は一見、最近多いフローリング調のビニールタイルに見えますが、木製フローリング。突板合板より安価な樹脂含浸シート張り合板です。
カラーモニター付きのインターホンはエントランス扉の解錠だけでなく、録画&録音など様々な機能がてんこ盛り。スマホのアプリを使えば留守中も安心。
詳しくは<メーカーサイト>。
光インターネット使用料が家賃に込み(開始時に3,000円必要)。最新式タイプはwifiルーターがコンセントプレート内に埋め込まれ、見た目がスッキリ。プレート右隅にwifiのパスワード。LANケーブルも使えます。
補足。写真にはありませんが、居室にLEDシーリングライト付き。サッシガラスは断熱性の高いペアガラス。玄関照明は人感センサー付き。玄関床は大理石。バルコニー床はフローリング風の長尺シート貼り。
年々進化する賃貸の水廻り設備
周辺の既存物件と、最も差が出るのが水廻り設備。毎年、各社からたくさんの新商品が発売されます。賃貸はキッチン、フロ、洗面化粧台の見栄えで、お部屋の印象が大きく変わります。
1Kの面積が約25㎡から約30㎡に広がり、水廻り設備もグレードアップ傾向。
1Kでも木目調のシステムキッチンは当たり前。壁はタイルでなく、お手入れの楽なキッチンパネル貼り。上部に吊戸とスリムなレンジフード。
浴室は壁にアクセントパネル、水ハケのよい床、高機能水栓&シャワーヘッド。換気扇は暖房&乾燥機付き。
「ソレオ」BZW-1216
浴室乾燥機:三菱
「バス乾」V-143BZ
洗面化粧台はホース収納式のシャワー水栓。洗面器内のお手入れに便利。
トイレはタンク&シャワー一体型。スタイリッシュでお手入れも楽。手洗器を別に設置。
共用廊下側のメータボックス内に給湯器を設置。1Kタイプでは十分な20号給湯器を採用。室内2箇所のリモコンで操作可能です。
同物件の1LDKタイプで採用の追い焚き機能はなし。お湯はり機能は蛇口から定量で自動ストップします。
新築賃貸、完成時の入居状況
夏場に完成したセレニティ大須。商業エリアに隣接する便利な立地です。全戸南向きですが、前面にマンションがあるので上層階を除いて日当たりは望めません。完成時の気になる入居状況は、約半数の住戸が入居決定。
上層階の1LDK&2LDKと下層階の住戸が埋まりました。上階の広い部屋はどこも人気があります。下層階は日当たりがない分家賃が抑えらえ、贅沢な設備をリーズナブル借りられたからと推測します。
現在の入居状況はNoMA不動産サイト「セレニティ大須」
賃貸仲介業は夏場は閑散期。上質物件でも100前後の住戸を完成即満室にするのは無理です。賃貸仲介業の最盛期は年明けから年度末。マンションはこの時期に最も多く完成します。当然、入居が直ぐに決まりやすいからです。
夏場完成のメリットは工事にあります。同時期に完成するマンションが少なければ、職人や建材の確保が捗るので。また、寒い時期の仕上げ工事に比べ、温かい時期は下地材の乾燥が十分にできます。過密な年度末完成の工程は、建物の品質に必ず影響を及ぼします。
完成直後の収益性を重視するのは当然ですが、年度末の毎度お馴染みのバタバタ工事を見ると、いずれ何処かにツケ(欠陥)が出ないかと思わずにはいられません。