外線電話の同時鳴動、内線通話・転送が可能なビジネスフォン。複数の電話番号を複数の電話機で共用することもができます。ビジネスフォンに不可欠な主装置「PBX(交換機)」は建物内に設置され、同一建物内で利用するのが前提でした。
現在は「クラウドPBXサービス」が各社より提供されています。
クラウドPBXは、内線通話機能やPBX機能をクラウド上のサーバから提供するサービス。主装置のクラウド化により、設備・保守コストの削減が可能です。
必要なのはインターネットとIP電話(ひかり電話など)回線。専用のアプリを利用すれば、スマートフォンを内線化できます。
内線通話は無料。外線通話はIP電話(ひかり電話)料金そのまま。インターネット経由の内線通話、スマートフォンから固定電話番号の発着信も可能です。
ビジネスフォンの導入で気になるのは初期費用ですが、クラウドサービスは高額なPBXを建物に設置する必要がありません。少人数から始めても、規模が大きくなればオプション追加で対応可能。増設工事も必要としません。
サテライトオフィス、在宅勤務(テレワーク)への通話が内線化できるクラウドPBX。自宅でも出先でも、インターネット環境があれば、どこで仕事をしていても、社内と同様に「ビジネスフォン」が利用できます。
クラウドPBXは大企業向けのサービスだけではありません。留守にしがちな小規模オフィスにも適したサービスがあります。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、クラウドPBX導入を検討してみては如何でしょうか。
クラウドPBXでできること
クラウドPBXの最大のメリットは、スマートフォンが使えること。会社またはお店の固定電話番号からの架電、受話がスマートフォンからできます。
既に事務所等を開設していても、03・06など今の電話番号を変えずに使えます。導入コストが抑えられる050番号の利用も可能です。
クラウドPBXは転送サービス(有料)ではありません。
従来のビジネスフォン同様に、内線で呼び出しそのままつなぐことができます。会社で受けた電話は一旦保留(パーク保留)、内線で外出中の従業員を呼び出し、そのままスマートフォンに転送ができます。外出先でも転送料金はかかりません。
スマートフォンのクラウドPBX利用には、各社より専用アプリが用意されています。
パソコン、IP電話機の利用
クラウドPBXの固定電話機は、IP電話機またはパソコン(ヘッドセットなど)。従来のビジネスフォンを利用しません。
機種、パソコンソフトは指定されている場合があります。
BYODの活用
BYOD(Bring Your Own Device)とは私物端末の業務利用。
社員のスマートフォンをBYODすれば、机に電話機を用意する必要がありません。電話機の設置を必要最小限に、初期費用を削減できます。
0ABJ番号(市外局番)の利用
クラウドPBXサービスは、現在利用中のIP電話(ひかり電話)番号がそのまま使えます。また、フリーダイヤル(0120、0800)を取得できるサービスもあります。
導入コストが低い050のIP専用電話番号もありますが、ビジネス利用には0ABJ番号を利用したいものです。
0ABJ番号とは、加入固定電話に割り当てられる市外局番(03や06など)付きの電話番号。固定電話番号は、社会的な信用面でも、ビズネスには必要です。
外線数・内線数・チャンネル数
クラウドPBXサービスの料金は、主に以下の「数」で決まります。
- 外線数:電話番号の数
- 内線数:端末またはIDの数
- チャンネル数:同時に通話できる数
※電話事業者によって定義が異なる場合があります
電話番号をいくつ利用するのか、使用する端末を何台にするのか、同時に利用できる端末または番号をいくつにするのか。
例えば、外線 03-xxxx-xxx1と03-xxxx-xxx2を電話機1台、PC1台、スマホ1台で利用。両番号で同時発着信可能とすると。
外線数は2、内線数は3、チャンネル数は2になります。
クラウドPBXサービス
クラウドPBXサービスは多くの会社から提供されています。これから紹介するサービスは小規模オフィス(外線数が10以下)向けのサービスです。
クラウドPBXは内線通話がどこにいても無料。複数端末の同時着信、複数番号を1台運用、着信履歴の確認も可能です。
オプションとして通話録音などもあります。詳細は各公式サイトでご確認ください。
ナイセンクラウド
ナイセンクラウドはNTT回線の他に、Rakuten(旧Fusion)回線、KDDI回線、NURO回線が利用可能。
個人事業主のお申し込みも可能です。
初期費用 | 月額費用 | |||
---|---|---|---|---|
1内線 | 10,000円 | 2,000円 | + | 1,000円/1拠点 |
2内線 | 5,000円 | |||
5内線 | 10,000円* |
※6内線以上の月額費用は1内線追加につき1,000円加算
スマートフォン、PCアプリは無料です。
公式サイトから自動見積もりができます。
社名 | アイティオール株式会社 |
所在地 | 東京都港区芝大門一丁目16番5号 芝大門加藤ビル9階 |
設立 | 2007年4月11日 |
資本金 | 2700万円 |
回線.com
回線.comはNTT回線の他に、Rakuten(旧Fusion)回線も利用可能。
個人事業主のお申し込みも可能です。
初期費用 | 月額費用 | |||
---|---|---|---|---|
2内線 | 10,000円 | 3,000円 | + | NTT回線の場合 1,000円/1電話番号 +500円/拠点 |
8内線 | 5,000円 | |||
15内線 | 10,000円 |
最低利用期間は1年。途中解約の場合には残りの契約期間分の基本料金が必要です。
スマートフォンアプリは有料200円/月、PC用は700円/月。
社名 | 株式会社サンシスコン |
所在地 | 東京都台東区上野6-6-1舶来堂ビル7階 |
設立 | 2015年8月4日 |
資本金 | 990万円 |
GoodLine
GoodLine(グッドライン)は個人事業主に最適な「GoodLineSOHO」を提供。
法人向けには「GoodLineビジネス」を提供しています。
プラン | 初期費用 | 月額料金 | |
---|---|---|---|
SOHO | 2内線 | 20,000円 | 3,000円 |
ビジネス | 3内線~ | 10,000円/内線 (上限50,000円) | 5,000円+ 1,000円/内線 |
20内線 | 50,000円 | 20,000円 |
40内線、60内線、80内線プランもあります。
電話番号は何番号でも追加可能。
同時通話にはキャリア回線対応機器の購入が必要です。
2ch:12,000円、4ch:85,000円、8ch:120,000円
社名 | 株式会社Good Relations |
所在地 | 大阪府大阪市中央区淡路町4-7-5本町ハイエストビル5F |
設立 | 2014年3月12日 |
資本金 |
MOT/TEL(モッテル)
MOT/TEL(モッテル)は10チャンネル20内線が月額3,980円で利用できます。
プラン | チャンネル/内線 | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|---|
スタンダード | 最大10/20 | 29,800円 | 3,980円 |
ミドル | 最大25/50 | 39,800円 | 8,500円 |
プレミアム | 最大50/100 | 59,800円 | 15,000円 |
IP電話機は以下の機種が対応します。
Panasonic:KX-UT136N,KX-HDV130N,KX-HDV130NB
NAKAYO:IP-36N-ST101C
インターネットFAXも利用可能です。
社名 | 株式会社オフィス24 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿6-22-1新宿スクエアタワー3階 |
設立 | 1993年3月23日 |
資本金 | 4億2542万5千円 |
モバビジ
モバビジは初期費用なし、初月費用無料で導入できます。
IP電話機はPanasonic社製を使用。
月額料金は
利用する電話回線数と電話機台数・アプリID数によって変わります。詳細は個別見積もりのため公式サイトよりお問い合わせください。
社名 | クラウドテレコム株式会社 |
所在地 | 東京都港区元麻布3丁目2番19号 |
設立 | 2019年12月 |
資本金 |
モバビジは2020年3月1日、フリービット株式会社からクラウドテレコム株式会社へ事業譲渡されました。
NTTのクラウドPBXサービス
NTTからもクラウドPBXサービスが提供されています。
前述のサービスよりも割高で、料金体系も複雑です。どちらかと言えば、大企業向けのサービスになります。
NTT東日本・西日本「ひかりクラウドPBX」
初期費用:13,000+8,000円~
月額費用:10,000円+1,800円~/10内線・4チャンネル
NTTコミュニケーションズ「Arcstar Smart PBX」
初期費用:10,000円+3,000+8,000円
月額料金:5,000円+500円/1内線+580円/1番号・1内線
テレワークについて
テレワークは「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。
総務省はテレワークを推進しています。
厚生労働省は「テレワーク総合ポータルサイト」を公開しています。
厚生労働省委託事業「テレワーク相談センター」があります。