自動車の点検整備はユーザーの義務として法令でも規定されています。自家用乗用車については1年ごとに定期検査を実施しなければなりません。
これとは別に、新車は3年後、以降は2年毎に国の検査を受けなければなりません。自動車継続検査、俗にいう「車検」です。
車検の内容は定期検査とまったく別です。
車検(自動車継続検査)と定期検査、それぞれについて解説します。
車検(自動車継続検査)
車検(自動車継続検査)とは、車が新車登録以降も保安基準に適合しているかを確認するための定期検査。同時に自賠責保険の更新と自動車重量税の徴収を行います。
自家用乗用車の車検は新車登録から3年目、それ以後は2年間隔で車検を受けます。
車検の申請には、原則24ヶ月点検整備記録簿の提出も必要です。
車検前に定期点検整備を行わず、車検後に定期点検整備を行う「前検査・後整備」も認められています。
車検の費用
車検にかかる費用は「法定費用」+諸費用。
- 自賠責保険料
- 自動車重量税
- 印紙代(車検の審査・車検適合証発行に関わる手数料)
法定費用は法律で定められた必ず支払う費用。そのため、どの業者で車検を依頼しても費用が変わることはありません。
- 検査手数料(車検代行手数料)
- 法定24ヶ月点検整備料
- 整備料(点検結果による補充・交換など)
車検料金の比較はこの諸費用の比較になります。
車検の必要書類
業者に車検を依頼する場合、以下の書類提出を求められます。
- 自動車検査証
- 自賠責保険(共済)証明書
- (自動車税納税証明書)
自動車納税証明書につては、納税済であれば省略可能です。
上記以外の書類も必要ですが、他はすべて業者が準備します。
車検の検査項目
車検(自動車継続検査)の検査内容は以下のとおりです。
- 同一性確認
提出書類と車両が同一であるかを確認 - 外廻り検査
車体・灯火類などに問題がないかを確認 - サイドスリップ検査
前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)を確認 - ブレーキ検査
前輪、後輪、駐車ブレーキの制動力を確認 - スピードメーター検査
実速とメーター表示速度の誤差を確認 - ヘッドライト検査
ロービームの光量と光軸が基準値内であるか確認 - 排気ガス検査
排出ガスのCO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)濃度を確認 - 下廻り検査
オイル漏れ、損傷、ガタなどがないか確認
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ユーザー車検
法定24ヶ月点検を自分で行い、国の検査場(運輸支局)に直接車を持ち込み、車検を受けることもできます。いわゆる「ユーザー車検」。
ユーザー車検を行う場合は、書類をすべて自分で揃えなければなりません。
- 自動車検査証
- 自賠責保険(共済)証明書
- 自動車税納税証明書 ※省略可
- 24ヶ月点検整備記録簿 ※後整備可
- 自動車重量税納付書・印紙
- 継続検査申請書 3号様式
- 自動車検査票・手数料納付書・印紙・証紙
5から7の書類は検査当日に運輸支局窓口で入手できます
ユーザー車検にメリットはあるの?
ユーザー車検の手順は、まずは最寄りの検査場に検査予約。受験日の2週間以上前の平日に予約可能。土日祝はお休みです。
自動車の使用者(ユーザー)が行う「ユーザー車検」は、車検にかかる諸費用を圧縮できるのがメリットです。
ところで、どれくら車検費用を節約できるのか?
車検業者の諸費用は「楽天car車検」サイトから確認できます。
国産車で重整備を必要としなければ、諸費用は都心部で2~3万円ぐらい?地方で安いところは1万円以下。地域で大きく変動します。
諸費用に定期検査費用が含まれることを考慮すれば、ユーザー車検に大したメリットはありません。特に地方では。
ユーザー車検の24ヶ月点検整備
車検時に必要な「24ヶ月点検整備記録簿」はユーザー自身でも作成できます。
目視できる項目であれば比較的簡単に点検はできます。それでも、分解が必要な項目は素人ではできません。
ブレーキパッド等、分解整備を行わなくても記録簿の提出できますが、安全面を優先すれば避けたいもの。
車検業者の諸費用は24ヶ月点検整備込み。プロに任せた方がやっぱり安心です。
車検業者の24ヶ月点検整備の注意点
車検業者の24ヶ月点検整備にも気をつけなければならない点があります。
実際に車検を依頼する、諸費用は当初の見積もりを大幅に上回ることが珍しくありません。車検業者は過剰な交換等を勧めます。ここが業者の狙い、儲けです。
対策としては、自分で交換・補充できるものは事前に自分で。現状で車検が通るなら、後で別の業者と相談、料金比較するのもありです。
自家用乗用車の点検整備
車検は自動車検査証の有効期間内の安全性を保証するものではありません。
また、車検業者の点検整備でぼったくられないためにも日常点検は大切です。
自動車の点検整備はユーザーの義務として法令でも規定されています。
日常点検
道路運送車両法 第47条にて
「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」
と規定しています。
自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に目視等により自動車を点検しなければなりません。
日常点検は使用者が自ら行います。
マイカーの日常点検は15項目
- エンジンルーム 5項目
1.ブレーキ液の量
2.冷却水の量
3.エンジンオイルの量
4.バッテリー液の量
5.ウィンドウォッシャ液の量 - クルマの周り 4項目
6.ランプ類の点灯・点滅
7.タイヤの亀裂・損傷の有無
8.タイヤの空気圧
9.タイヤの溝の深さ - 運転席 6項目
10.エンジンのかかり具合・異音
11.ウィンドウォッシャ液の噴射状態
12.ワイパーの拭き取り能力
13.ブレーキの踏み残りしろと効き具合
14.駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)
15.エンジンの低速・加速状態
定期点検
道路運送車両法 第48条にて
自家用乗用車は安全確保・環境保護の観点から1年ごとに定期点検を実施しなければなりません。
一般的に、定期点検は車検業者・整備工場へ依頼します。
点検整備は1年ごとに26項目、2年(車検)ごとに56項目。 点検項目は「自動車の点検及び整備に関する手引(PDF)」に。
点検整備記録簿
定期点検の結果と整備の概要は「点検整備記録簿」に記録、保存しなければなりません。※道路運送車両法第49条
点検整備記録簿は、自動車の維持管理に役立てるためのものです。点検整備記録簿を確認することで、過去の点検整備の記録を確認することができたり、消耗部品の交換時期を判断することも可能になります。